データ分析

Google Analyticsでアクセス解析を行う前に確認すべき7つのコト

最近はWebサイトのアクセス解析が仕事になる事が多いので、これを機に私が集計・調査作業に入る前に、事前確認として大切にしているポイントをまとめておこうと思います。
今回の記事はアクセス解析に関する基本知識がある方に向けて作成おりますので、全くの初心者という方には少々難しいかもしれません。

アクセス解析を行う前の事前準備

Google Analyticsでいきなりアクセス解析を行う前に、最も重要とも言える事前準備があります。この手順を飛ばしてしまうと、間違ったアクセス解析結果や余計な作業時間を増やす原因となります。

1|サイトの情報構造を理解する

グローバルナビを中心に、サイトがどのような情報構造になっているかを理解してください。特に気負うことなくサイトを眺めるだけでも得られる情報は多いと思います。ちなみにサイト内にほとんど導線がないようなページは見落としがちです。そのようなページはGoogle Analyticsのレポートを表示させた時に気付く事が多いですが、Google ChromeのLink Checkerなどの拡張機能を利用すると作業が楽になります。

e.g.)サイトから得られる情報

  • サイト運営者の大事にしているコト・モノ
  • ユーザーに届けたいコンテンツ
  • コンバージョンポイントやそこに辿り着くまでのファネル
  • サイトの良い点や抱える課題

また、もしサイト制作時のドキュメントやブランドガイドライン等があるようであれば、そちらも目を通しておくとより深い理解ができるようになります。

2|ディレクトリ・URLとページタイトル関係を理解する

サイト制作にしっかりとしたベンダーが携わっていた場合は、ドキュメントが残っている事が多いです。サイト運営者から直接入手するようにしましょう。なければ簡易的な対応表を自分で作成しておきます。 ディレクトリやURLの命名規則が推測しやすい文字列となっている場合は、サイトを回遊してみるだけでも十分ですが、ディレクトリ・URLとページタイトルは参照頻度が高いので、まとまったドキュメントがあると便利です。

Google Analyticsでアクセス解析を行う前に確認すべき7つのコト

1|マスターのビューは残っているか?

マスターのビュー=何も制限をかけていないビューが存在しているかどうかは、まず一番最初に確認すべきです。Google Analyticsは収集したデータをビュー単位で収集していき、新しく作成したビューは過去のデータを含まないという性質を持っています。そのため一番最初に作成されたGoogle Analyticsのビューにフィルタ設定などを利用して、制限をかけるような設定が多く行われていると、元のデータを確認できずに困ってしまう事があります。 またビューが1つしかなく、既に多くの設定がされている場合は、何も制限をしないビューを新しく作成して放置しておけば、作成日以降のまっさらなデータの収集ができます。つまり新しくマスターとなるビューを作成することができます。

2|ビューにフィルタ設定がされているか?

ビューにどのような制限が加えられているのかを事前に確認しておきましょう。よくあるのは特定のIPアドレスや参照元、botからのトラフィックの除外です。今見ているレポートがどのようなフィルタを受けているものであるかを正しく理解する必要があります。

3|トラフィックのトレンドはあるか?

年間を通して、トラフィックにトレンドが存在するのかどうかをアクセスサマリーで見ておくとよいでしょう。アクセス解析を行う前にどのようなトレンドが存在するのかが分かっていれば、急なトラフィック増減の原因調査に時間をかける必要が無くなります。
※全く調査をしなくてもよいということではありませんのでご注意ください。

4|リファラースパムのノイズが含まれているか?

リファラースパム*3が発生していると、正しいアクセス解析が行えません。ほとんどのリファラースパムは大量のトラフィックを発生させることが多いので、原因不明のトレンドがある場合はリファラースパムが起きているかどうかを確認してみてください。

5|オーガニック検索ソースはカスタマイズされているか?

Google Analyticsでは既定のリストに登録されている検索エンジン*1以外の検索エンジンからのトラフィックは自然検索(Organic Search)として扱いません。そのため日本独自の検索エンジンからの流入を自然検索(Organic Search)として扱いたい場合は、自分でオーガニック検索ソースを設定する必要があります。※海外サイトの場合は、その国独自の検索エンジンを調べ、オーガニック検索ソースに設定します。 また既定のリストに登録されている検索エンジン以外の検索エンジンからのトラフィックは、参照元(referral)として扱われてしまいます。

e.g.)Google Analyticsが対応していない日本独自の検索エンジン

日本国内の検索エンジンシェア*2のほとんどはgoogle/Yahoo/Bingとなります。通常のサイトであれば既存設定のまま、アクセス解析に着手しても問題ありませんが、トラフィックが数十万単位で自然検索(Organic Search)からの流入が中心となるサイトは、オーガニック検索ソースのカスタマイズ設定の有無を確認しておきましょう。

参考:オーガニック検索ソースをカスタマイズする

6|「/」と「/index.html」が別々にトラッキングされているか?

「www.example.com/」と「www.example.com/index.html」はユーザーから見ると同じ画面が表示されますが、Google Analytics上では別のページとして認識されてしまいます。URLが統一されていない場合はミスリードを引き起こす原因となったり、データ集計が作業が想定よりも大変になってしまいますので、アクセス解析に着手する前に確認するようにしましょう。

参考:「/」と「/index.html」が別々にトラッキングされる

ちなみに、301リダイレクト行なっている場合のアナリティクス上のデータでは、(リダイレクト元のページにトラッキングコードを設定されている前提で)リダイレクト元のドメインがリダイレクト先のドメインと異なる場合は、参照元としてレポートに表示されるようになります。流入元のデータ集計作業は必ず実施すると思いますので、覚えておくと良いでしょう。

参考:リダイレクト

7|他のサービスとのリンク設定はされているか?

分析アカウントの権限レベルが低く設定されている場合は、他のサービスとのリンク設定状況を確認する事ができません。Search Consoleとの連携確認は必須ですが、その他のGoogle広告関連ツール(AdWords、AdSense、Double Click系)やGoogleタグマネージャー、Google Optimizeなどとも連携している可能性があります。これらのサービスとのリンク設定状況を事前に確認しておけば、見るべきデータに目星を付ける事ができますので、アクセス解析の手間を減らす事ができます。 またSearch Consoleとの連携確認を必須としているのは、サイト運営者によってはそもそもSearch Consoleのアカウント自体を作成していない事があるためです。Search Console自体がないと自然検索(Organic Search)からの流入分析が難しくなってしまいます。

参考:サービス間のリンク設定

全体サマリーはどのようになっているか?

以下はGoogle Analyticsで詳細なアクセス解析に着手する前に確認すべき項目です。アクセス解析を行う際は必ず確認する作業ですが、集計作業を始める前に全体を眺めておくとよいでしょう。

  • デバイスやOS毎のアクセスシェアはどのように分布しているか?
  • 新規/リピーターの割合、ユーザーのデモグラはどのように分布しているか?
  • 最も多く表示されているページはどこか?
  • サイトへの入り口となっているページはどこか?
  • イベントや目標が設定されているか?

おわりに

私なりの「Google Analyticsでアクセス解析を行う前の確認項目」をまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか? アクセス解析のテクニックは分析対象によっては進め方が大きく異なってしまうためになかなか体系化されておらず、学ぼうにもある程度の経験が必要になります。 今後もGoogle Analytic等のアクセス解析ツールを使った分析ノウハウを配信していく予定ですので、もしよければブックマーク等していただければと思います。  

*1:既定のリストに登録されている検索エンジンはGoogle Analyticsのアップデートで更新されます。最新の情報はこちらから確認してください。
*2Search Engine Host Market Share in Japan 2017
*3:参照元を確認する人をスパムサイトに誘導するために、スパムサイトから大量にアクセスするという悪質な行為です。

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ACT3 ONLINE 編集部

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